
マレーシア 三井物産
松下 優
寄稿の機会をいただき、ありがとうございます!2021年にマレーシアでの生活をスタートしてから、仕事や日々の生活を通じて、さまざまな経験を重ねてきました。新しい環境に慣れるまで戸惑うこともありましたが、振り返ってみると、私にとって人や文化と出会う大切な “入口” になっていたのは、音楽でした。
幼いころから歌うことが好きだった私は、日本でも、そしてマレーシアに来てからも、音楽を通じて多くの出会いに恵まれてきました。特に合唱は、私の人生から切り離せない存在です。
合唱の面白さは、決して一人では完成しないところにあります。一人ひとりの一音が必要不可欠で、相手の声を聴きながら自分の声を重ねていく。その瞬間、自然と心の距離も近づいていくように感じます。
マレーシアではローカル合唱団に所属し、ムルデカパレードでの国歌・ムルデカソングの斉唱や、ASEANサミットでの公式賛歌の斉唱など、来馬前には想像もしていなかったような大舞台で歌う機会に恵まれました。


最近では、ローカルメンバーとJ-Pop・K-Popのステージも作り上げました。これまでは私自身がマレーシアや東南アジアの音楽を学ぶことが多かったのですが、今回は日本の言語や心を伝える立場にもなり、その面白さや難しさを改めて感じました。
一つひとつの舞台はとても華やかに見えるかもしれませんが、その裏側には、お互いの言語を学び、曲の背景を知り、発音や表現をよりよくするといった地道な練習が続きます。だからこそ、本番で一音一音が重なる瞬間は、何度経験しても鳥肌が立つような感動があります。合唱仲間とは合唱外でもよく集まっており、私にとってマレーシアの家族のような存在です。

また、日本人仲間とも音楽バンドを組み、主にSNSを通じて、マレーシア人に人気のアニメソングやマレーソングを日本語で演奏したりしています。
どうしたらローカルの方々に楽しんでもらえるのか、どんな表現なら日本らしさとマレーシアらしさの両方が伝わるのか。そんなことをメンバーと試行錯誤しながら発信を続けています。コメントや反応を通じて思いがけないつながりや発見が生まれることもあり、音楽の持つ力を日々感じています。
マレーシアでの音楽活動は、私にとって新しい文化を知るだけでなく、自分自身の中にある日本らしさを見つめ直す機会にもなっています。これからも音楽を通じて自分の心を豊かにしながら、マレーシアの温かさや多様性、そして日本とのつながりを、自分らしい形で表現していければと思います。

以上