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日馬をつなぐビジネスマガジン

編集委員
安光 晋作(日本航空株式会社)
箱木 恵梨子 (ライクアライジングサン )


色とりどりの壁画や歴史あるショップハウスが立ち並ぶジョージタウンは、2008年にユネスコ世界文化遺産に登録された歴史都市です。その一角に、昨年9月、ペナン日本人学校が移転しました。

校舎は歴史的建造物を活用した造りで、外観には重厚感があります。校内は天井が高く、開放的な空間が広がっており、歴史ある建物の趣を残しながら、落ち着いた学習環境が整えられています。

ペナン日本人学校の斎藤校長によると、世界遺産に登録された歴史的建造物であるため、外観や設備の改修にはさまざまな規制があり、維持管理には多くの配慮が求められるとのことです。

世界遺産に登録された歴史的建造物を、校舎として活用する日本人学校は非常に珍しく、ジョージタウンならではの特色ある教育環境となっています。

その歴史ある校舎を舞台に、この日開催されたのが、JALクアラルンプール支店によるCSR活動、「折り紙ヒコーキ教室」です。


JALグループでは、「折り紙ヒコーキ協会」の技術指導を受けた認定指導員資格を持つ社員が、国内外の学校を訪問し、「折り紙ヒコーキ教室」を開催しています。

これは次世代育成プログラム「空育®(そらいく)」の一環として実施されており、折り紙という日本の伝統文化を通じて、子どもたちに「空」への興味や夢を育むことを目的としたCSR活動です。

JALオリジナルの折り紙ヒコーキ専用紙が子どもたち一人ひとりに配られると、期待に満ちた表情で折り始めました。飛行機が飛ぶ仕組みも交えながら、よく飛ぶ折り方を丁寧に学びます。

そして、完成した紙ヒコーキを一斉に飛ばすと、教室には「飛んだ!」という歓声が響き渡りました。歴史ある校舎の中で、子どもたちの笑顔と紙ヒコーキが空へ舞い上がる光景は、この日の印象的なワンシーンとなりました。


続いて、JALクアラルンプール支店のスタッフによる職業講話が行われました。

折り紙ヒコーキ教室で飛行機が飛ぶ仕組みを学んだ子どもたちは、今度は飛行機の安全運航を支えるさまざまな職種や仕事について学びました。

講話では、整備士をはじめ、空港や運航を支える仕事など、航空業界を支えるさまざまな職種が紹介されました。それぞれの仕事内容ややりがい、責任について説明が行われ、実際に使用する工具なども披露されました。

質疑応答では、「実際に使う工具はどんなものですか」「仕事をしていて大変なことは何ですか」といった質問が子どもたちから次々と寄せられ、航空業界への高い関心がうかがえました。

また、子どもたちは姿勢を正し、スタッフの話に真剣に耳を傾けながら、積極的に質問する姿が印象的でした。海外にありながらも、日本人学校ならではの礼儀や学ぶ姿勢が感じられる場面でもありました。

最後に、JALクアラルンプール支店の安光支店長は、今回の活動について次のように語りました。

「大きくなったときに、今日のことを思い出して、航空業界という仕事があることを思い出してくれるとうれしいです。」

折り紙ヒコーキ教室と職業講話を通じて、子どもたちは飛行機の仕組みだけでなく、航空業界を支えるさまざまな仕事への理解を深めました。海外で暮らす子どもたちにとって、日系企業の取り組みや仕事に直接触れる機会は決して多くありません。

今回のプログラムでは、JALのスタッフとの交流を通じて、航空業界をはじめとする日系企業の仕事や役割、そこで働く人々の思いに触れる貴重な機会となりました。

学校だけでは得られない実社会との接点を通じて、日系企業や航空業界への理解を深め、将来の仕事や社会との関わりについて考えるきっかけになったように感じます。

企業が事業を通じて培った知見や経験を生かし、日本人学校と連携して子どもたちの学びを支える取り組みは、海外ならではの教育活動の一つです。

今回のJALクアラルンプール支店による「空育®」は、企業・学校・地域社会がつながりながら次世代を育む取り組みとして、大変印象深い一日となりました。


歴史ある学びの場で、日系企業と日本人学校が連携して実施された今回の「空育®」プログラム。海外で暮らす子どもたちにとって、日系企業の仕事やものづくりへの思い、そして社会を支えるさまざまな仕事に触れることができたことは、将来の視野を広げる貴重な学びの機会になったように感じます。

安光支店長がお話しされたように、この日の体験が、子どもたちにとって将来の進路や職業を考える際の、一つのきっかけとなるかもしれません。

海外にはさまざまな教育環境がありますが、日系企業と直接交流し、その仕事や役割、働く人々の思いに触れられる機会は、日本人学校ならではの特色ある学びの一つではないでしょうか。

海外で活躍する日系企業と日本人学校が連携することで、学校だけでは得られない実社会との接点が生まれ、子どもたちが日系企業としての仕事の役割、働くことへの理解を深める貴重な機会になっていることを改めて感じました。

私自身も久しぶりに小学校を訪れ、子どもたちの元気な笑顔や礼儀正しく学ぶ姿、日本の文化を大切にしながら生き生きと学ぶ様子に触れ、日本人学校が果たす役割の大きさを改めて実感しました。

以上