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日馬をつなぐビジネスマガジン

2026年7月16日(木)、JACTIM事務局において、EUROCHAM、JETRO、JACTIMによる人材関連の意見交換会を開催しました。本会合は、JETROによる産業人材に関する情報収集の一環として実施されたもので、マレーシアにおける人材政策や外国人雇用制度、企業の人事課題などについて幅広く意見交換を行いました。

会合では、政府が運営するアップスキリング・求職支援プラットフォーム(MyNext、TALENT X、MyFutureJobs等)が多数存在することにより、企業側が制度やインセンティブの活用方法に混乱を抱えているとの認識が共有されました。EUROCHAMからは、制度の整理・一本化を政府へ提言していることが紹介され、政府側も実効性の高い制度へ集約する方向で検討しているとの説明がありました。また、大学と企業が連携したインターンシップの拡充や、卒業時点で即戦力となる人材育成の重要性についても意見が交わされました。

外国人雇用制度については、外国人EPF(公的年金)の義務化が2027年まで延期される見込みであることが共有されました。一方、Employment Pass(EP)の最低給与要件については、日系企業では日本本社とマレーシア現地で給与を分割支給するケースが多く、現地給与のみを基準とする制度では多くの駐在員が基準を満たせないという課題が改めて提起されました。JACTIMからは、日本とマレーシア双方の給与を合算した「グローバル給与」を基準として認めるよう継続的に要望していることを説明しました。これに対し、EUROCHAMからは、欧州企業では給与水準が比較的高いことから最低給与要件そのものへの課題は少ない一方、ビザ手続きの遅延や行政手続きの不透明さが共通の課題であるとの見解が示されました。

人材採用や人事制度については、欧州企業では履歴書だけでなく、適性検査(Psychometric Test)を活用して応募者のパーソナリティや適性を評価し、採用ミスマッチの防止を図っている事例が紹介されました。また、多くの欧州系企業ではSAP SuccessFactorsなどのグローバル共通HRシステムを導入するとともに、入社後のキャリアパスや昇進機会を明確に提示することで、人材定着率の向上につなげているとの説明がありました。

さらに、マレーシアが抱える構造的課題として、深刻なブレインドレイン(高度人材流出)やSTEM人材の不足、製造業における人材確保の難しさなどについても意見交換を実施しました。特に、優秀な人材がシンガポールへ流出する状況や、製造業の競争力維持に向けた人材育成の必要性について認識を共有しました。

今後については、EUROCHAMが実施している会員企業向け調査の結果を踏まえ、外国人雇用制度や社会保障制度に関する共通課題が確認された場合には、JACTIMとEUROCHAM(必要に応じて他商工会議所も含む)による共同意見書の提出や、共同での政策提言を検討していくことで一致しました。また、5G政策に関して各国商工会議所が連携して行った提言活動が一定の成果を上げていることも共有され、今後も共通課題についてチャンバー間で連携を深めていくことを確認しました。