AMCHAM主催のセミナーにて、Dr. Deborah Elms(米国ヒンテリック財団)およびDato’ Siobhan Dass(AMCHAM CEO)が登壇し、米国の貿易政策に関する最新情報、戦略的貿易コンプライアンスの課題、市場多様化におけるマレーシアの機会とリスク、サプライチェーンの混乱と再構築の動向について講演しました。
Elms氏は、トランプ政権以降3,000品目超に及ぶ追加関税が続き、半導体や鉄鋼など多くの産業で予測困難な環境が常態化していると指摘。ASEANは制度基盤を有するものの、FTA利用率は35〜40%に留まり改善の余地があると述べました。
また、世界貿易環境は当面、不透明かつ不確実な状況が続くと予測され、企業にはASEANやCPTPPの枠組み活用が重要で、マレーシアは累計380億米ドルの米国直接投資を受ける一方、人材不足やコスト上昇、規制遅延により競争力が低下。制度改革と透明性強化が求められているとの見解を示しました。
マレーシアは累計380億米ドルの米国投資を受ける一方、人材不足やコスト上昇で競争力が低下。2026年導入予定のEU炭素国境調整(CBAM)による追加負担も懸念されます。
Elms氏は、IPEFは現状「機能していない」と述べ、マレーシアに対し、CPTPPやRCEPの活用、数市場への集中、多角化戦略、制度改革の必要性を強調しました。
