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日馬をつなぐビジネスマガジン

 小堤 勇治
(日本スペリアマレーシア)


2024年度のペラ地域部会長を拝命いたしました,NIHON SUPERIOR (M) Sdn.Bhdの小堤と申します。マレーシア駐在は初めてで2015年から駐在しております。この他に海外はフィリピンに2回の駐在と合わせて駐在経験は18年となりました。海外は幾たびか中長期の出張をしておりましたがそれを含めてもマレーシアが最長滞在期間となりました。
この度はJACTIMペラ部会長の重責ですが、皆様のご援助をどうぞ宜しくお願い申し上げます。


現在ペラ地域部会には10社が登録されております、2ヶ月に一度のペースで部会を開催しております。会員数も少ないことから各社のトッピクスや懸案事項を情報交換や相談をする場ともなっております。
11月はペナン地域部会様.ペナン三水会様とペラ地域部会の合同部会をペナンにて実施いたしました、名刺交換による顔合わせや情報交換の幅を広げられて有意義な合同部会でした。


変化する国際状況による各マーケット(原油.金属.株.為替等)の急激な変動に影響を受けた経済動向への影響は引き続き深刻なものがあります、マーケットの安定.緩やかな変動を望むところでありますが、予想ができない現在の国際状況となっております。経済動向への素早い対応が企業の収益に大きく影響しますので難しい企業運営となっております。

 又、2025年2月よりマレーシアの最低賃金はMYR1500からMYR1700へ改定され実質的なベースUpは人件費増加となり各業界の経営に影響致します。他にも懸念事項として燃料の軽油/ガソリン価格の改定にて輸送費の上昇や原材料価格高騰、外国人労働者のEPFへの加入や、ローカル従業員の高離職率と優秀な人材不足、新規企業誘致による労働者の取り合い等、多くの懸案事項はありますが、各企業は発展と成長、又は残存の為に日々懸命な企業努力を続けています。

 マレーシア政府には縦割り的な行政機関ごとに制定される法令の重複や矛盾、各種手続きの為に多数の省庁への許認可が必要で複雑です。同時に複数の許認可を得られるホーマットや受付窓口の統一またはオンライン化等ができれば効率的な業務遂行となります。又 その返答の迅速化への対応、包括的で一元化した情報の発信ができればとお願いしたい。


過去のペラ地域部会だよりに、まだ紹介されていないペラ州の紹介をいたします。

●レンゴン渓谷(ユネスコ世界文化遺産)

ペラ州には約200万年前 旧石器時代(アフリカ以外では世界最古)の人類の痕跡が発見された遺跡群がレンゴン渓谷に存在します。その場所にはレンゴン渓谷考古学博物館が立てられ発掘品の展示がされております。約1万1000年前のものと推定された全身骨格が発見され「ペラ・マン」と名付けられ展示されています。渓谷一帯は2012年ユネスコ世界文化遺産に「レンゴン渓谷の考古遺産」として登録されました、考古学好きな方はクアラカンサからロイヤルベルムへの道中に博物館があります、見学されて丸はいかがでしょうか。

●ロイヤルベルム自然公園

ペラ北部のタイ国境近くには、世界最古と言われる原性熱帯雨林(virgin rainforest)のペラ州立ロイヤルベルム自然公園があります、マレーシアの固有種や希少種、アジア像の他、マレー虎、マレーバク、スマトラサイなど絶滅危惧種の生息地・ラフレシア等の珍しい植物の自生地として保護管理されています。ボートホテルに宿泊して広大な湖を遊覧しながら自然公園内をガイド付きでジャングルトレッキングする事ができます。

●錫産業で億万長者の街とTT5

ペラ州タイピンのラルートで発見された錫鉱脈(Malayan Tin Belt)は19世紀中頃より錫鉱山の開発が始まり、その後マレーシアは世界有数の錫採掘量を記録しました。錫鉱山にて繁栄したペラ州イポー(キンタ渓谷地域)は億万長者の街と言われていました。

当初の採掘方法は人力による竪穴式採掘や露天掘採掘でしたが1913年以降イギリスから導入されたDREDGE(大型採掘装置船)にて錫鉱石の浚渫から選別までを大量に連続生産して錫の産出量が飛躍的に増加し世界中の25%がマレーシア産の錫となりましたが、1985年に国際スズ市場が大暴落したため、キンタ渓谷地域のスズ産業は価格の激減と資源枯渇による衰退が続き、1990年代にその歴史に幕を閉じました。

【写真上:錫鉱石】

●イポーの木

イポーの名前の由来はこの地に多く自生していたイポーの木からきている言われています。
イポーの木の樹液には毒が含まれいて、吹き矢の毒として使用されておりました。
イポー駅の公園にはイポーの大木があったのですが、2018年頃に枯れてしましました。現在公園にある木は苗木を植え替え成長した物です。
JACTIMの本部の前 溝口地域担当理事がイポーの木がお気に入り?でそれを思い出し紹介いたしました。

【写真上:2015年ごろのイポーの木】


ペラ地域部会は小規模ではありますが、地方であっても各企業活動にてペラ地域省庁との付き合いが必要であります。

JACTIM本部には、マレーシア政府への協力と政策提言活動を継続して頂き感謝しております。地域省庁へアプローチのパイプ役をJACTIM本部にもお力添えを頂けたならば、地域省庁と日系企業とが懇意となり企業活動の後押しとなるのではと思っております。

今後も微力ですが会員企業様のお役になれるように頂しますので、皆様からのご指導、ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

以上