お問い合わせ
日馬をつなぐビジネスマガジン

2025年5月5日(月)、クアラルンプールのLe Meridienにて、TWCHAM(台湾商工会)による経済白書発行セレモニーが開催されました。式典には台北駐マレーシア経済文化代表処のPhoebe Yeh代表をはじめ、マレーシア国際貿易産業省(MITI)、マレーシア投資開発庁(MIDA)、マレーシア製造業者連盟(FMM)、Invest Selangor、主要台湾企業および国内の商工団体、JACTIMより鳴釜会頭が一堂に会し、台湾とマレーシアの経済協力の現状と展望について共有がなされました。

今回発表された経済白書は、2014年のベトナム反中暴動を契機に、台湾政府と海外の台湾商工会議所が連携して発行を始めたもので、マレーシアでの台湾企業のビジネス展開や投資判断の参考資料として位置づけられています。本書にはマレーシア政府への提言も盛り込まれており、人材確保、外国人労働者の受け入れ、投資優遇制度といった内容はJACTIMの提言とも多くの点で共通しており、今後の関係強化と協働の可能性が強く感じられました。

TWCHAMのMr.Lin Kai Min会長は開会挨拶の中で、台湾が2024年にはマレーシアの第4位の貿易相手国となり、投資額が384億米ドルに達する見込みであることを紹介。マレーシアにおける台湾企業の存在感の高まりとともに、多様な文化・宗教・人種が共存するマレーシアの社会的背景の中で、現地に根差した経営が進んでいる現状を強調しました。また、ビジネスのみならず、教育・文化分野での協力の重要性にも言及しました。

続く基調講演では、H.E. Ms. Phoebe Yeh, 台北駐マレーシア経済文化代表処代表より、2024年の台湾からマレーシアへの投資額が129億米ドルに達し、外国直接投資の第7位となる見通しが示されました。また、半導体、持続可能性、新興分野(ハラール、ヘルスケア、ロジスティクス)などにおける協力の可能性や、台湾企業のCSR(企業の社会的責任)活動を通じた地域社会への貢献事例も紹介されました。

さらに、マレーシアのビジネス環境に関して、規制の明確化、制度の効率性、インフラ整備といった改善が必要との提言も白書に反映されており、台湾・マレーシア間の経済関係のさらなる発展に向けた建設的な議論が行われました。

JACTIMとしても、本セレモニーを通じて台湾側との相互理解が深まると同時に、共通する課題への取り組みや将来的な協働の可能性に強い期待を寄せる機会となりました。