ペラ地域部会長  永山　匡之
(MMC Electronics (M) Sdn. Bhd. )

2022年度のペラ地域部会長を拝命致しました MMC Electronics (M) Sdn. Bhd. の永山と申します。マレーシア駐在は2回目で、1回目は弊社創業時に1994年から約4年、そして今回は2019年4月より駐在しております。この他に海外での業務は韓国で約3年の駐在、また製造立上げ業務としてタイ、ラオス、上海には夫々数回、長期滞在したこともあり海外には馴染みが深いです。JACTIM会員企業の皆様、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

１．ペラ地域部会の概況

現在ペラ地域部会には13社が登録されており、本来は2ヶ月に一度、イポー市内で開催しております。Covid-19感染拡大後はリモートでの開催ではありますが、①JACTIM本部よりアジア・オセアニアの経済情勢、マレーシア政府との対話・交渉の最新情報、連絡事項、②大使館からの情報共有、③講師による時節に応じたテーマの講演、④部会員企業からの近況報告、情報交換、等を基本テーマとし、所定の頻度での開催を継続しております。

また小規模部会だからできることとして、例えば政府が発出する各種政令に対しての解釈や対応方法など、各部会員企業で困り事が発生した際は、随時メールベースで会員企業様間での相談が始まり、スピーディーに情報・意見交換がなされるアットホームな雰囲気があり、とても有益な居心地の良い部会だと感じています。

今後については部会開催予定時期を見直し、原則、5、7、9、11、2月の第一火曜日と致しました（但し合同部会実施月はお相手部会様の都合を考慮して都度決定します）。次回9月はマラッカ地域部会様と、11月はペナン地域部会様との合同部会を予定しており、情報交換の幅を広げております。そろそろ少なくとも対面／リモートの併用開催であれば可能な気配も出始めておりますので、機会を適切に生かしたいと考えております。

２．最近のトピックス　＜COVID-19に起因する企業活動への影響＞

　現在日本では週間新規感染者数が世界最多になったりして（8月12日現在）大変な状況ですが、マレーシアはFMCOの終了に伴う各種規制解除で新規感染者数は再び増加傾向にあるものの、本年2～3月のオミクロン株による感染者急増時期に集団免疫的なものが獲得できていたのか、心配していたほどの爆発的増加には繋がっておらず、比較的安定したフェーズになっているようです。

しかしながら企業活動（とりわけ製造業）への影響は引き続き深刻なものがあり、①輸送費の高止まり、②原材料費高騰（①の要因含む）、③部品供給逼迫による納期ダウン、④外労採用停滞やローカル従業員の高い離職率による人員不足、等が大きな問題点になっています。前述の①、②に加え、本年5月からの最低賃金改定（RM1,200からRM1,500へ25％ものアップは各企業様一様に大きなダメージを負ったと思います）により製造コストは大きく上昇し、各企業はCovid-19影響による業績ダウンから回復へのハードルが高くなってしまいました。また前述③や④に関してでありますが、Covid-19も全般的にはエンディミックに向かい、企業活動も回復し始め受注も増加してきているところにあって、これが原因で生産が追い付かず供給逼迫状態に陥っており、多大な機会損失が発生しています。特に④については、外労入国停止は解除されましたし、政府がその後のアクション（手続き）をスピードアップすることで早期に解消できる可能性があります。

こうした多くの問題・制約がある中で各企業は生き残りをかけて懸命な努力を続けています。マレーシア政府におかれては各種規制の見直しや各種手続きの迅速化について、これまで以上に強化しスピード感を持って対応されることが必要です。対応が遅くなれば操業継続ができなくなる企業が益々増え、マレーシア製造業の衰退にさえ繋がると危惧しております。またJACTIMをはじめ各団体におかれては、政府への強力なアプローチをこれまで同様、継続して頂くことを期待しております。

３．ペラ州のご紹介

これまでのペラ地域部会だよりで色々と紹介されております通り、イポーは1937年にそれまでのタイピンに代わり州都になりました。錫採掘で栄えた頃に多くの中国人が入植され、イポー都市部にあっては中国系の比率が70％と、マレーシア全土の比率20％を大きく上回った特徴のある人種構成になっています。このことから中華料理は全般的に定評があり、安価で美味であります。
名物としてはチキンライス、ソルトチキン、もやし料理、カスタードプリン等があり、観光スポットとしては、古都としてのイポー旧市街地エリア、極楽洞、三宝洞、ペラ洞、ケリー城跡、クアラカンサーのモスク、ビクトリアブリッジ、タイピン動物園などがあります。ペラ州にお越しの際はこれらをWEB検索すると良い情報が簡単に得られます。

ペラ地域部会はJACTIM本部のお力添えを頂きながら、小規模である利点が最大限に生かされ、伝統的に会員企業様間において非常にタイムリーで有効な情報交換が随時なされている、そのような部会であります。今後はこうした特徴を維持、発展させつつ、定例会では対面／リモートの併用、あるいは完全リモートなど、その時々の状況に適切な方法にて所定の頻度を維持しながら部会開催を続け、会員企業様にとって有益な部会運営ができるように尽力する所存です。力不足でご迷惑をおかけすることもありそうですが、皆様からのご指導、ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。