お問い合わせ
日馬をつなぐビジネスマガジン

  

ジョホール地域部会長
安田 順一
(Mitsubishi Electric (Malaysia) Sdn. Bhd.)

 

JACTIMの皆さま、お世話になっております。22年度のジョホール地域部会長を拝命しました、三菱電機マレーシアの安田と申します。
私は換気扇を代表とします換気空清機を製造する岐阜県中津川の工場から、21年4月に赴任致しました。中津川の工場では太陽光発電パネルの製造技術開発に始まり、電子基板の工作、換気空清機・衛生機器の工作、そして工機部門の管理に携わってきました。現在所属する三菱電機マレーシアは、1989年に創立後、VTRやDVD等の映像・ストレージ関連機器や、業務用プリンターの製造に注力して参りましたが、現在は主に空調関連機器の製造を行っております。
まだ赴任から2年にも満たず、こちらに来て始めたゴルフのスコアアップや、美味しく楽しい会食場所の探索に傾倒している最中です。どうぞよろしくお願い致します。

1.ジョホール地域部会の状況

22年11月現在、主会員44名様を軸に、3ヵ月に1度の会合を継続しております。22年度は、6月3日に第一回、9月2日に第二回の地域部会を開催し、両回ともに20名以上のご参加を頂き、コロナ沈静化による事業回復途中の貴重な情報を共有させて頂くことが出来ました。コロナによりオンラインでの会合が続いておりますが、早期にフィジカルを合わせたハイブリッドでの開催に移行したいと考えております。

2.弊社、ジョホールでのコロナ影響と現在

20年度、21年度は皆さまの会社におかれましても、とても厳しい時期だったと思います。非常に残念なこととして、従業員の方が亡くなられた会社も少なくないと予想します。そのような中で、更にマレーシアの労働者不足、世界的な部品調達難の煽りを受けて、バックオーダーだけが積み重なっていく状況を、会員の皆さまと情報共有出来たことだけでも非常に有難く、弊社だけではないということを実感できて励みになりました。
一番の思い出は、21年7月に、弊社の寮でクラスターが発生した際、手持ちの検査キットが足りず、近隣の会員企業様に貸して頂いたことです。お陰様で保健当局から対応の遅れ等の指摘を受けずに済み、速やかな操業再開に繋げることが出来ました。海外における日系企業同士の繋がりの大切さを正に実感した出来事でした。

22年4月1日より、シンガポールとジョホール間の陸路が開放されましたが、通行許可申請の混雑等の影響で、シンガポールのチャンギ空港を経由する出張者の往来は、6月頃からようやく再開出来ました。その後は、堰を切ったように本邦からの出張者が増え、会員企業様の多くが出張者対応に追われた時期がありました。会員様との懇談の際、その忙しさがコロナ沈静化を反映しているようで、自然と明るい話題になったことを覚えております。コロナ影響で閉店が相次ぎ、情報がリセットされてしまった会食場所や、陸路のイミグレに関する情報等についても、地域部会の会合等で情報共有させて頂き、弊社も非常に助かりました。

ジョホールと言えば、現在も続く「イスカンダル計画」が注目されますが、残念ながらコロナ禍の開発エリアは少しゴーストタウンを思わせる状況になっておりました。ですが、今年の8月頃から戸建て住宅街、コンドミニアム、商業エリア等の工事が本格的に再開され、現場作業員や工事車両が砂埃をたてながら工事を進める様も、コロナ沈静化の光景として、嬉しく感じました。

また、地域部会の会合にて、現在はジョホールの日系企業の多くはコロナ沈静化後の新たなバックオーダーを抱える状況に回復されているとお聞きします。労働者、部品調達の問題は今後も続きますが、継続的な情報発信・共有こそが、各会員企業様の相乗的な事業好転に繋がるものと期待しています。

3.ジョホール地域日系企業の今後の発展の為に

製造業が多い当地域の会員企業様と懇談させて頂く際、「日系企業として、このジョホールで今後は何を造って行けば良いのか?」旨の話題が出ます。弊社も正にこの問題に直面しており、本邦側と検討を進めております。既に撤退された企業のお話もお聞きしますが、ジョホールには進出後20~30年以上も事業継続されている日系企業がまだまだ沢山あります。一方、事業拡張や、新規でジョホールに事業展開される日系企業の嬉しい情報もお聞きします。その、長らく事業継続されている日系企業と、新規で進出頂く日系企業の「背景」情報の共有がもっと進めば、お互いの新規計画や中長期計画がもっと有意義になるのでは?と個人的に思っています。
具体的には、なぜ長らくこのジョホールの地で事業継続が出来ているのか。部品調達・物流面なのか、雇用面なのか、税制面なのか、市場(向け先)面なのか。新規進出先として、どのような利点を見通してジョホールを選ばれたのか。それらの情報の共有は、お互いの安心材料、刺激し合える材料になると思います。

日系企業間において、特にASEAN地区の場合は、サプライチェーン全体のどこかで合致、あるいは近接する関係性が必ずあると考えます。「業界が違うから」と情報収集のアンテナを設置せずに通り過ぎるのではなく、「最大公約数」的な情報でも前のめりで収集・共有していく先に、共感できる情報に巡り合えるチャンスが訪れるのでは、と自分で自分の尻を叩く為にそのように考えつつ、また、地域部会でそのようなヒアリング・討議の雰囲気が醸成されることを期待し、支援していきたい所存です。

話が少し脱線してしまいましたが、前段のような話題も会合や懇親の際にお聞かせ、共有頂けると、本邦への種々の報告・説明ストーリーの肉付けに活用できるかなと思い、個人的に助かります(笑)のでよろしくお願い致します。

4.さいごに

コロナ再拡大のリスクや、部品調達問題、地政学的なリスクも継続する中で、JACTIM本部、地域部会、そしてJETRO様の活動は、情報入手・相談先の要であることに間違いありません。今後も諸活動へのご理解・ご協力の程よろしくお願い申し上げます。