広報委員会編集委員
藤岡 宏太 (MSIG)
本多 孝浩(ソフトバンクマレーシア)
(1)日 時:2023年2月22日(水)10:00~
(2)場 所:MJIIT
(3)背 景:
JACTIM会員企業において、従来より、従業員の獲得および定着が課題となっていたことから、2021年度より中小企業委員会の事業の一貫として、JACTIMとMJIIT共催により就職フェアを実施している。
2022年度は、のべ約200名の面談希望があったものの、7名の採用に止まり、多くの人材の獲得にはつなげることができなかった。
JACTIMとしては、学生側のポテンシャルや就労状況に課題があると想定する一方、企業側もニーズの把握や会社説明に課題があったのではないかとも考えており、学生へのインタビューを通じて「学生は就職活動において、日系企業に対しどのような条件を求めているのか、どういった面接が効果的か」等を把握するのが主旨。
ニーズが合致しない場合等は、JACTIMとしてアプローチする先を大学から専門学校等への変更することも考えている。
(4)インタビュー内容:
①MJIITから大学の概要について説明
日系企業との連携を推進している。今後、学校の敷地を拡大し、現在1,500名の学生を3,000名まで増やしたい。日系企業でのインターンシップも行っている。
②インタビュー(学生4名参加)
・どんなことを学んだか、将来どんな道に進みたいか
→化学のエンジニアリングになりたい。MJIITは電子とプログラミングの両方を学ぶことができるから、MJIITに入った。将来は人工知能などソフトウェアエンジニアリングとして日本で働きたい。日本語や日本文化を学ぶことができるのも一つの魅力。文化も含む。
・日系企業に求める条件は何か。
→日系企業はマレーシア企業と比較し、他社を尊敬し合う文化、時間を守る文化など素晴らしいものがある。今後は、特に従業員のメンタルヘルスの管理、オフィス環境の充実、医療保険などのベネフィットも重要ではないか。条件としては、家から近いことが優先される。仕事のうえでは、入社後明確にどういった業務を自分が行うかを説明してほしい。ジョブディスクリプションやキャリアの見通しの説明が不充分である。長い期間働ける会社がいい。将来日本で働きたく道筋も教えてほしい。ロケーション、業務内容、ベネフィット、サラリーの順番ではないか。
・インタビューでどんなことを聞かれたのか。
→自己紹介、専攻、卒業研究について確認された。「学生時代に頑張ったこと」、「志望動機」などを聞かれるが答えるのが難しかった。これらは準備が必要となってしまい少々面倒であり、マレーシアの企業では聞かれることはない。日本の会社のインタビューの場合、ストーリーを少々デコレーションをして話す必要があり、大学の先生がその指導をしている。
・インタビューを受けての感想は。
→日本語が話せないと入社できないイメージをまず感じた。また、あまり気持ちの良くないインタビューであり少し学生を見下した印象も受けた。自分の会社を説明してくれないし、学生からの質問にも答えてくれず、相互の会話でなく一方的な申し出になっている。学生の評価をする場でもあるが、同時に会社側もアピールする場として捉える必要がある。
・就職フェアはいつがいいか。
→フィジカルの方がお互いに会うことができ質問もしやすい。タイミングとしてはなんとも言えない。マレーシアの企業は卒業の2~3ヶ月前に面接を受けるケースが多い。
LinkedInなどの就職サイトに登録すると、リクルーターから声がかかることもある。卒業後に就職が決まっていない人も多くいる。大学は10月~2月が1学期、3月~7月が2学期。そのため、11月くらいの就職フェアが望ましいのではないか。
・MJIITの特長はどういった点か。
→日本語と日本の文化を学習することができるため入学した。ただし学部によっては日本人に会うことが多くない場合もあるが学生交流があることが魅力。ただし日本人は非常にシャイであまり話すことができないケースもある。いずれにしても日本で働く機会を得るチャンスがあると考え入学した。
・インターンシップで感じたことは何か。
→日本企業は極めて異なったカルチャーであるが非常に有意義な時間を過ごせた。文化の違いを把握することができたのは有益だった。インターンシップでは、日系企業で行うことで日本語が上達した。ただし専門的な言葉は難しかった。日本で例えばソフトウェアエンジニアリングとして働きたい学生は沢山いる。日本とマレーシアの関係性は非常に長く強いがこのままインターンシップ事業は続けてほしい。
以上