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日馬をつなぐビジネスマガジン


マレーシアに於ける高度人材、一般ワーカー不足及び質の問題は長きにわたりマレーシア産業界の課題となっており、本年 1 月に実施された“JACTIM-JETRO 共同日系企業アンケート調査”でも半数を超える製造業で投資上の課題として挙げており、中でも産業人材の質については人材育成の根幹を担う TVET と産業界のニーズとのミスマッチやシラバスの在り方がフォーカスされ、TVET とのコラボやアドバイスの在り方が議論されてきました。

また、TVETについては、アンワル首相就任の政策スローガンの MADANI に於いても最重要課題として挙げられており、具体的には昨年、Zahid 副首相直下で国家技術・職業教育訓練評議会(NTC)が全国の TVET を取り纏め、改革推進をすることとなったが、JACTIM でも昨年 12 月 4 日に FMM 主導で立ち上げた GITC(官産 TVET 調整委員会)と MoU を締結しポリテクニック(工科短大)を中心とした TVET 群の改革に協力することとなっている。


今回は、GITC を通しての TVET 改革サポートの為に先ずポリテクニック(高等教育省傘下)、アドテック(人的資源省傘下)、他省庁傘下専門 TVET についての理解を深める為、PSA(Polytechnic Sultan Salahuddin Abdul Aziz Shah) に訪問インタビューを実施しました。

PSAは学生数3600名、敷地面積約50万平米 (他ポリテク37校も同様)を持ち、メディカルディバイス、E&E、土木工学、商業の4学部があり、メディカルディバイス学部を持つTVETは東南アジアで唯一であるとのこと。また、就職率は96.3%にのぼり、これは教育機関の中でもトップクラスであり、メディカルディバイス学部とE&E学部にはBachelorデグリーコースがあり、その他はディプロマであるのに対し、4年制大学卒業同等資格可能となっている。

メディカルディバイス学部においては、30~40名ほどの学生が在籍し、学部内に国内病院の医療器具テスト、カリブレーション事業を行う部門があり、その収入を学部運営に使用するなどの取り組みを行っているとのこと。また、JICAの援助にてテスト技師を養成するなどの取り組みも実施しており、土木工学部には、600名ほどの学生が在籍し、木造、住宅の建築学を学んでいる。 

調査委員会では今後、半島の代表的なシャーラムポリテク(PSA)及びスルタンイドリスシャー(PSIS)訪問調査から得た情報を会員企業及びGITS・FMMと共有し、今後の提言にまとめ、インターンシップ、ジョブフェアーへの参画、共同実施等今後高等教育省との連携により実施を検討する予定です。

以上